日本硬化石美術工業所 
製作者
 旧 仙法志小学校 大日本婦人会仙法志村支部 
特記事項/寄付者
  
碑銘
 昭和17年10月20日 除幕式 
設置年月日
 90cm 
大きさ
 コンクリート立像
材質・形状
利尻町博物館
利尻郡利尻町
北海道










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利尻町立博物館前にある像 旧 仙法志小学校にあったもの
コンクリート製の金次郎像についての製作者がわかりました。



北海道利尻郡利尻町博物館
利尻郡利尻町仙法志字本町136
http://www.northerncross.co.jp/bunkashigen/parts/1172.html
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利尻町立博物館 西谷榮治氏が投稿された「集まれ!北海道の学芸員」の
コラムを拝見し利尻町の金次郎像についてお聞きしたところ利尻町の資料を
提供していただきました。金次郎像建立除幕式の写真や像建立のいきさつ等
大変貴重な資料だと思います。    当サイトに掲載許可をいただきました。

TOPICSに西谷氏が記された「利尻島の報徳碑」のページがあります。
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仙法志小学校二宮尊徳像除幕式  昭和17年10月20日 

利尻町内の仙法志小学校に建てられていた二宮尊徳が博物館にきたのは10年以上前のこと。
あるとき、利尻町仙法志出身で札幌にいる方から仙法志小学校の校庭で二宮尊徳像の除幕式
が行われている写真が寄贈されました。和服とモンペを白いエプロンで装い、御神酒や餅などの
受け渡しをする婦人たちや神社宮司は鼻・口や頬の部分には大きな白いマスクをかけています。
像の右には紙垂をつけた玉串が見えます。仙法志小学校児童がたくさん写っています。

二宮尊徳調査が始まりました。まず仙法志小学校沿革誌を開いてみると昭和17年9月13日に仙法志村愛国婦人
会、国防婦人会が統合して大日本婦人会仙法志村支部がつくられたのを記念して二宮尊徳像を寄贈し、設立のた
め勤労奉仕し、10月12日に除幕式が行われたと書かれています。左手で本を、右手で背負子の肩紐を持ち、左足
が前に出て、本を読みながら背中に薪を背負って歩いている二宮尊徳。これを同じ型の二宮尊徳像が島内2ヶ所に
ありました。廃校になった久連小学校敷地と雄忠志内小学校敷地です。二ヶ所の二宮尊徳像の台座には「至誠報徳」
とあります。久連小学校の碑文には「愛婦國婦統合記念 昭和十七年八月建立」と刻まれています。

 

さらに調べていくと、博物館所蔵の旧仙法志村行政資料の『婦人会 大日本婦人会仙法志村支部 昭和十七年』
には二宮尊徳像の購入が綴られていました。「愛国婦人會及國防婦人會統合記念トシ児童教育上二宮尊徳像ヲ
村内各校ニ同両婦人會ヨリ寄附相成事ト決定候処購入ノ都合モ有之候條左記條ケンに依ル見積書至急御送付
相成度候也」として東京都下谷区仲御徒町4丁目36番地の日本硬化石美術工業所に注文されています。金額は
像・台座・小樽までの運賃で202円となっています。旧仙法志村の仙法志小学校と久連小学校に建てられた二宮
尊徳像と雄忠志内小学校に建っている二宮尊徳像が同じ型など共通することがあります。利尻島内にある二宮尊
徳は同じ契機で建てられた考えられます。

 

仙法志小学校児童が集まって尊厳に行われた除幕式の写真。薪を背負いながら本を読んで歩く尊徳が家・村を復
興して興国安民を実現したことを児童に学んでほしいとの願いが込められたことと思われます。国家に献身・奉公す
る国民の育成のために尊徳を見習うべきとした運動が利尻島でも展開されたことが、博物館ロビーにある二宮尊徳
と除幕式の写真が語っています。


仙法志小学校二宮尊徳像除幕式記念誌写真


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